『ココ・アヴァン・シャネル』女性ココ・シャネルの横顔


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★★☆☆☆

ココ・シャネルといえば知らない人はいない高級ブランド「シャネル(CHANEL)」を生み出したファッションデザイナー兼創業者。これほどまでに有名で、激動の20世紀に一大帝国を築き上げた女性はいない。

映画化されるとあれば、彼女の生涯と彼女が生み出したファッションに込められた哲学を詳しく知りたいと思うはずだ。残念なことに『ココ・アヴァン・シャネル』はそういった要望にはまったく応えてくれないが、「コルセットからの女性の解放」というフェミニストとは異なる、女としてのココ・シャネル像を描き出している。

ココ・アヴァン・シャネル


19世紀の終わり、フランス・オーベルニュで生まれたガブリエル・シャネルは幼いころに母を亡くし、父に孤児院に預けられた。毎週末になると、父が迎えに来てくれるのではないかと期待していたが、それもかなうことはなかった。大人になったシャネルは、姉と慕う同じ孤児の友人と酒場で歌っていた。夢は歌手としてパリで活躍すること。歌を歌うかたわら、生活は針子の仕事をしてしのいでいたのだった。

ある日、ガブリエルは酒場で将校のエチエンヌ・バルサンと出会い、交際を始める。彼はシャネルにパリデビューのチャンスを与えたものの、失敗。実質、歌手として大成する夢は断たれた。シャネルはバルサンを追って、ガブリエルはパリ郊外へ向かった。パリ郊外の城に転がり込んだシャネルは、男のような服装を好み、社交界のコルセットやメレンゲのように飾りのついた帽子などを忌嫌う。自身はシンプルな帽子を作っていた。

この生活の中、シャネルはイギリス人実業家のアーサー・カペルに出会う。カペルは男勝りな感性を持つシャネルに強力に引かれ、愛し合うようになる。だが、私生児から実業家としてのし上がってきたカペルは、地位を盤石にするため貴族との結婚を決めていた。それを知ったシャネルは失意の底に沈む。

シャネルは自由を求め、才能を認めてくれるカペルの出資を受けてパリに帽子店を出店する。彼女の帽子は大好評で経営も順風満帆だったが、最愛のカペルは突如、自動車事故で他界してしまう。もう少しで二人の幸せな生活が待っていたかもしれなかったのだが――。

本作のタイトル、ココ・アヴァン・シャネル(Coco Avant Chanel)とは「シャネルの前のココ」という意味らしい。このタイトルが意味するとおり、高級ブランドを育て上げたデザイナー、シャネルとしての素顔は残念ながら描かれていない。彼女がどのように恋をして、事業をスタートしたのか、そのさわりの部分だけが、描かれるのみ。食傷気味な作品であることは否めない。

すべてにおいて説明が不十分で、「なぜ彼女は転がり込んだ将校の城で、あんなにも大柄な態度で生活できたのか」「女性を解放する服作りを好むようになったのか」――すら、分からなかった。シャネルブランドで彼女が名を上げる前までのこの頃というのは、男性関係だけでなく、彼女のすべてに影響を及ぼすような出来事がもっとあったはずだ。それがすべて割愛されているのは残念でならない。

彼女のことを詳しく知りたいなら、シャーリー・マクレーンが演じている『ココ・シャネル』の方が向いているのかも知れない。

ココ・アヴァン・シャネルの監督
アンヌ・フォンテーヌ
ココ・アヴァン・シャネルの出演
オドレイ・トトゥ
ブノワ・ポールブールド
マリー・ジラン
エマニュエル・ドゥヴォス

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