『チェンジリング』警察の恐ろしい実話


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

守るものがあるというのは強い。家族だったり、権力だったり……。ただ、これらも行きすぎると、とんでもない事件を引き起こす。

『チェンジリング』は、1920年代後半にアメリカで起こった大量児童殺害事件ゴードン・ノースコット事件を背景にした不幸な実話。わが子を守ろうとする母に、威厳と権力を守ろうとする警察、この2つのせめぎ合いは事件をさらに不幸にする。

チェンジリング


1928年のロサンゼルス郊外。クリスティーナ・コリンズはたった一人の息子ウォルターと暮らしていた。毎朝息子が起きると柱で背を測るのが日課。息子を学校に送り届け、電話交換の仕事に行くのだった。

ある日、家に息子を残し出かけたクリスティーナ。帰ってくると、息子の姿がなくなっていた。息子の無事を祈り警察に届けるものの、誘拐なのか家出なのかも判然とせず、時が過ぎていくばかりだった。しかし、ウォルターが無事発見されたとの報告が入る。

駅で感動の再会を果たした、はずのコリンズ親子だったが、母のクリスティーナは自分の子ではないことに気がついていた。しかし、警察は一切クリスティーナの主張に取り合おうとはしない。間違えたとは言えないメンツがあるからだ。執拗にクリスティーナから本当の子の生還を求められ、都合が悪くなってきた警察は、遂に彼女を精神病院送りにしてしまう。

ところが、児童誘拐を行っていた犯人のゴードン・ノースコットが逮捕されると、事態は急変する。殺害した少年にウォルターの名前があったからだ。彼女の主張が正しかったことが分かり、警察の横暴が公になっていく。

チェンジリングというのは、取り替え子という意味。奇形児などが生まれる原因は妖精の子にすり替わってしまったから、と考えるような古い言い伝えだが、この映画の主題とは直接関係なく、どちらかというとテーマは「クリスティーナを巡る警察の悪質」の方にある。

警察の手柄の誇示と不都合に対する隠ぺい体質は、まさに常軌を逸している。都合の悪い人間は主張を一転しない限り、精神病院で薬漬けにされ、本当の精神病にしてしまうのだ。実話なのだから手に負えない。少なからず今の警察にもある体質なのだから、こういう事実はどんどん公になってほしいものだ。実話を掘り起こし、登場人物を実名で映画化してしまうクリント・イーストウッド監督は意欲的だ。

監督の手腕も見事だ。抑揚を抑えた演出ながら2時間20分を飽きさせない映画に仕上がっているのは、腕がいいからだろう。主演のアンジェリーナ・ジョリーから素晴らしい演技を引き出している。

チェンジリングの監督
クリント・イーストウッド
チェンジリングの出演
アンジェリーナ・ジョリー
ジョン・マルコヴィッチ
ジェフリー・ドノヴァン
コルム・フィオール
ジェイソン・バトラー・ハーナー
エイミー・ライアン
マイケル・ケリー

『チェンジリング』警察の恐ろしい実話, 3.9 out of 5 based on 15 ratings

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