『ミュンヘン』報復が英雄を生みだす


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★★★☆☆

憎しみは報復を生み、報復はさらなる憎しみを生む。こういう不幸な連鎖は歴史的には何度も繰り返されているわけで、多様性というのはたびたび悪い側面ものぞかせる。

スティーブン・スピルバーグ監督がミュンヘンオリンピック事件を映画化した『ミュンヘン』は、1972年というまだ遠くない過去に起こった実際の出来事を生々しく描いている。人間の憎悪というのは本当に恐ろしいものだ。

ミュンヘン


1972年、独ミュンヘンではオリンピックが開かれていた。9月5日未明、イスラエル選手団宿舎を「ブラックセプテンバー」(黒い九月)が襲撃した。人質となった選手たち11人は全員死亡した。ミュンヘンオリンピック事件である。

イスラエル――アヴナーはイスラエル政府に呼び出され、事件を首謀したパレスチナのテロリストを暗殺するように命じられる。政府肝いりで極秘暗殺計画が企てられたのだ。家族の生活は政府によって保証されるが、危険な任務。しかしこのジハードでアヴナーは祖国の英雄になれるのだ。

任務を引き受けたアヴナーを含む5名のプロフェッショナルで構成された暗殺班は、次々と黒い九月のメンバー11人を殺害していく。だが、暗殺を続け仲間を失うなかでアヴナーにも苦悩が生じてくる。

スピルバーグ監督作品としては『シンドラーのリスト』などと同じ社会派だが、作品の出来としてはいまいちピンとこなかった。しかし、この種の映画というのは事実があったことに目を向けるべきなのかもしれない。平和ボケしていると言われる日本人にっとて、こういう報復という考え方が今でも国の意志として実行されることがあるということを。しかも、それをすれば英雄として祭り上げられるのだ。

扱っているテーマがテーマだし、生々しく描かれているので、気分よく見られるものではないが、この鑑賞後の嫌な感じというのが報復という行為に対するスピルバーグのメッセージなんだろうか。

ミュンヘンの監督
スティーヴン・スピルバーグ
ミュンヘンの出演
エリック・バナ
ダニエル・クレイグ
ジェフリー・ラッシュ
マチュー・カソヴィッツ

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