『ザ・ウェイブ』この程度の全体主義とは……


VN:F [1.9.22_1171]
あなたの映画評価は何点?
Rating: 4.4/5 (20 votes cast)
映画の評価(5点満点)

★★☆☆☆

プアーです。学生証をなくして以来、あの手この手を使ってしぶとく映画を見てます。この前も金券ショップを初利用。これが便利なものであると実感した次第。

さて、金券ショップでせこく手に入れた映画のチケットは、ドイツ映画『ザ・ウェイブ』。授業で独裁主義を模擬体験、だんだん生徒が暴走していきますよという内容だ。どれだけ全体主義な感じになってるかと思えば、これがもうぜんぜんたいしたことない。全体主義の授業を行う前の生徒が置かれた『自由』のレベルが違いすぎるのだ。授業中にドリンク付きなんですよ! コーラとか。

ザ・ウェイブ


さらに、生徒はパーマ掛けてるし、バンダナ巻いてるし、制服はなくて全員私服。アメリカだけかと思っていたら、ドイツも結構自由なんですね。だから、全体主義化して行ってもヤンキーが髪の毛染めてみました程度の変化しかない。

僕らが中学、高校の頃の管理教育は本当にひどかった。それから比べれば、この映画の全体主義なんてママゴトなのだ。

実際のところ、校歌は全校生徒が1番から3番まで暗唱でき、運動会1カ月前から行進の練習を開始、朝礼台の前に達したら右手を捧げ礼。男子は全員坊主、女子はみつあみなど、一部髪型を除いて長髪禁止。週に一度は持ち物検査、修学旅行のしおりは厚さ2ぺージ弱(もちろん生徒編集による)――など、日本の管理教育は相当特殊なレベルまで達していた。それはいいことだったのだろうか?

もしこの映画の価値観に従うならば、完全にペケだ。つまり、それは僕らの世代受けてきた教育が全部ダメだといってることに等しい。これはなかなか強烈である。もし欧米人が見ても「ああ全体主義はひどいっぺな」と言う素朴な感想で終ってしまうのだろうが、日本人がこの映画を見ると、全体主義のメリット、デメリットが透かし彫りなる構造になっている。このような見方ができるのは、日本と韓国ぐらいだろう。ひょっとしたらシンガポールも含まれるかもしれないが。これらの国民は、他の国の国民では味わえないちょっと特殊な見方ができる。

余談だが、監督は意識してるのかしてないのか知らないが、議論好きで、批判的で、規律好きで、凝り性という一般的なドイツ人気質をこれでもかというほど描いている。映画を見てる途中、何度も「そらあ、ドイツ人の離婚率は高いに決まってるわ」と感慨深くなったものである。

映画自体は正直佳作レベルだが、まあたまにはこういう映画もいいのでは?

ザ・ウェイブの原作
モートン・ルー
ザ・ウェイブの監督・脚本
デニス・ガンゼル
ザ・ウェイブの出演
ユーゲン・フォーゲル
フレデリック・ラウ

『ザ・ウェイブ』この程度の全体主義とは……, 4.4 out of 5 based on 20 ratings

タグ: ,

トラックバックURL(お気軽にどうぞ)