『ザ・ムーン』月面を目指す男たち


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トルコの片田舎の街で見た夜空を忘れることができない。何も見えない本当の暗闇の洞窟宿から手探りで外に出ると、月明かりに輝く街、そして夜空を見上げたときの、あの瞬くことなく煌々(こうこう)と輝きつづける星たち。ひときわ大きい月の存在感。降り注ぐ光に自然の神秘を感じた。

いまから40年前の1960年代後半から70年代にかけて、人類は月という天体に6度、降り立った。

ザ・ムーン

『ザ・ムーン』は、アポロ計画の宇宙飛行士の証言をもとに、月面を目指す壮大なプロジェクトを振り返るドキュメンタリー。フロンティアを目指した英雄たちの本音、蔵出しとも思えるNASAの映像をふんだんに盛り込み、まさに奇跡とも言える世界を垣間見せてくれる。

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」。人類で初めて月面に降り立った二―ル・アームストロング飛行士はそう最初の言葉を発したという。宇宙の神秘よりもプロジェクトの達成感が胸をよぎったのだろう。

アポロ計画は、米ソ冷戦下のきわめて政治的な理由でスタートした。ジョン・F・ケネディ大統領の掛け声で60年代中に月に人を送り込む計画がスタート。空に魅せられたパイロットたちは、月という国家の威信を賭けた夢を追い始めた。時同じ頃、アメリカに暗い影を落としたベトナム戦争では「かつての同僚だったパイロットは戦場の空を飛んでいた」。そんな心苦しい思いをしながらも、プライドを賭けてアポロ計画の宇宙飛行士は月を目指した。

月へ向かう途中の恐怖というよりも不安、そして感動を余すことなく語る飛行士たち。プロジェクトをたんたんと遂行してきた姿に熱いものを感じざるを得ない。貴重映像と併せてみると、宇宙だけでなく、ロケット打ち上げ自体が芸術的であることが分かる。

アポロ計画以来、人類は月に降り立っていない。地球以外の天体に足を踏み入れた人類はいまだに彼らしかいないのだ。彼らの体験を少しでも共有できるので、一見の価値はある。ちなみに、ザ・ムーンの監督はエンドクレジットで月面着陸の「陰謀説」についても彼らに問うていたのは心憎いところ。

ザ・ムーンの監督
デヴィッド・シントン
ザ・ムーンの出演
バズ・オルドリン
マイク・コリンズ
アラン・ビーン
ジム・ラベル
エドガー・ミッチェル
デイブ・スコット
ジョン・ヤング
チャーリー・デューク
ハリソン・シュミットジーン・サーナン

『ザ・ムーン』月面を目指す男たち, 3.4 out of 5 based on 5 ratings

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