『ブッシュ』子ブッシュはパパの愛が欲しかった


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★☆☆☆☆

誰しも何かしらのトラウマを持って生きている。アメリカ大統領にまで上り詰めたこの人もそうだった。

在任期間中に見事にヒール(悪役)を演じきった「W」こと、ジョージ・W・ブッシュ第43代アメリカ合衆国大統領。映画『ブッシュ』は、パパブッシュへの畏敬の念に苛まされながら、強引にイラク戦争へ突き進む姿を描いている。政治に私情を持ち込むのはどうかと思うが、まあなんとも愛嬌のある大統領だったわけで。

ブッシュ


アメリカの名門ブッシュ家の長男に生まれたジョージ。第43代アメリカ大統領になった彼と政府幹部たちは「悪の枢軸」発言で有名になった一般教書演説の原稿を考えていた。大量破壊兵器保有の疑いのある国をテロ支援国として名指し、対テロ姿勢を明確にするのは名目にすぎず、幹部らの目的は世界の10%の石油を埋蔵するイラクを手中に収めることだった。しかし、ジョージの頭にあったのは、パパブッシュが先の湾岸戦争でバグダットまで進行ぜず、次の大統領選で負けたこと。親父の愛情不審だったジョージは、親の仇を取ってほめられたかった。

悪の枢軸発言からイラク戦争までの期間を、まだ親父に頼るしかない青年時代のやんちゃっぷりと織り交ぜて描く。青年時代は飲んだくれ、親父のあてがった仕事はすべて途中で投げ出すような人間だった。しかしそこにあるのは、親父の愛情に飢えている1人の子供の姿。

正直なところ、映画はそうとう面白くない。あまりにもテレビで見知った顔の人物たち(ローズ、パウエル、ラムズフェルド、ライスとか)が登場することになるのだが、そっくりさん大集合という感じで拍子抜けしてしまうのだ。ジョージ自体もそうだ。社会派で腕をぶいぶい言わせてきたオリバー・ストーン監督もだいぶ焼きが回ったなという感じもするが、やはり近すぎる現代の実在の人物を取り上げて映像化するというのは相当にハードルが高いのだ。

この映画で得られるものがあるとすれば、稀代のヒールだったジョージ・W・ブッシュ前大統領の日本人があまり知らない側面を知れることだろう。ブッシュ家というのは元をたどればイギリス王室にまでつながるらしいが、それはそれで子ブッシュは家名の重圧に苦しんだ、まこと人間的なヒールだったのかもしれない。

2009年に就任したどこかの国の新首相も、そういえば稀代の名門家の出身。さて、その家柄は武器になるのか、爆弾になるのか。2010年のかじ取りに期待しよう。

ブッシュの監督
オリバー・ストーン
ブッシュの出演
ジョシュ・ブローリン
エリザベス・バンクス
エレン・バースティン
ジェームズ・クロムウェル
リチャード・ドレイファス
スコット・グレン

『ブッシュ』子ブッシュはパパの愛が欲しかった, 3.0 out of 5 based on 1 rating

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