『暴力脱獄』神なき世のキリスト


VN:F [1.9.22_1171]
あなたの映画評価は何点?
Rating: 3.8/5 (5 votes cast)
映画の評価(5点満点)

★★★★☆

著名な映画評論家町山智浩がポール・ニューマンの追悼として「ポール・ニューマン作品で1つだけ見ろといわれたら、『ハスラー』でもなく『明日に向かって撃て』でもなく、『暴力脱獄』だ」と言っていた。しかし、古い映画は当たり外れが非常に大きい。

それだけに「テレビでやってくるのが一番ありがたいのだが、ありがたいのだがァ~」と、そんなふうに念じてたいら、なんとBSで放映。「ありがとう! BS」。

暴力脱獄


映画『暴力脱獄』は、この頭の悪いタイトルとは裏腹に内容はかなり難解。ポール・ニューマン扮するルーク・ジャクソンという主人公は、明らかにキリストのメタファー(暗喩)なのだが、映画が進むに連れて「本当に暗喩なの?」という疑問がどうしても沸いきてしまう。

理由は、キリストの暗喩なのに終始、神を否定し、神を批判しているのだ。キリスト教に関する素地がない日本人には、本当の意味で理解できないのである。

アンチョコを引いてみると、『暴力脱獄』はアメリカで唯一の実存主義映画なのだそうだ。実存主義とは、神の存在の否定から生まれ、人間中心に物事を考える思想である。つまり、キリスト教が色濃く映画に繁栄されるハリウッド映画では型破りな存在なのかもしれない。

ポール・ニューマンは、神なき世のキリストであり、寵も福音も希望すらない現実(刑務所)における迷える子羊(囚人たち)に希望を与える松明のような存在なのである。そして、ポール・ニューマンが死んだ後でさえ、彼の存在は囚人達の心の中で燃え続けるのである。

といった感じでものすごく難解なんだけど、映画としても単純に面白いし、何よりポール・ニューマンの笑顔が素晴らしい! 暴力脱獄はぜひぜひ、見てほしい一本である。

暴力脱獄の監督
スチュアート・ローゼンバーグ
暴力脱獄の出演
ポール・ニューマン
ジョージ・ケネディ
J・D・キャノン
ルー・アントニオ
ディック・ダバロス

『暴力脱獄』神なき世のキリスト, 3.8 out of 5 based on 5 ratings

タグ: ,

トラックバックURL(お気軽にどうぞ)