『殺人の追憶』ポン・ジュノ「世界のクロサワ」正統な後継者
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プアーです。GEOの100円コーナーの棚をつーっとなぞっていくと本作が。各所で激賞されている『殺人の追憶』である。どれだけすごいんだべと思ったら、ホントにすごかった。『ダークナイト』『シティ・オブ・ザ・ゴッド』などその年、その時代を代表する作品と並べてもまったく遜色のないすさまじい出来なのだ!
韓国映画は昔から土着的というか泥臭い映画を撮る技術に特筆するものがあるだが、本作は正にその韓国映画の精髄といえる。
『殺人の追憶』は猟奇物なのだが、地味な内容に反して、その陰惨さ、恐ろしさがじわり、じわりと背中から競り上がってくる様はたまらない。それは韓国が抱える閉鎖的な狂気であり、アメリとはまた違った狂気を見ているものに感じさせるからだ。韓国の実話を元にしたということであるが、外国である日本人でさえここまで恐怖を感じるのだから本国韓国の人はまた違った感覚を味わったことは容易に想像できる。
さてこの映画の素晴らしさの具体的な記述に移るが、まずプロットの単純さが上げられる。フィクションという前置きがあるが、映画の内容は韓国の連続強姦殺人事件でありそれ以上でもそれ以下でもない。映画の構造も特に話が前後する訳でもカットバックが多用される訳でもないのでほとんど一方通行といってよい。
つまり、飛び道具なしで観客と勝負しており、特別なアイデアや特撮技術に依存していないということだ。これは脚本の骨太さと映画撮影技術、細かいロケハンと時代考証にこだわった美術班の執念と監督の絵作りの上手さに発想力と構想力。そして役者の演技力の異常な高さに音楽の素晴らしさと本作に関わるすべての人間活動が高いレベルで統合した結果の産物である。まさに映画が総合芸術という言葉を再実感させてくれる内容である。
もはや、奇跡の1つと言っても過言ではない。
見ていて異常に疲れるので時間と体力があるときにしか見るべきではないが、一生に一度は見ておくべきである。
最後に『殺人の追憶』を見る上で極めて重要なルールを記述しておくと、このポン・ジュノという監督は、映画制作において倫理観や正義感、そして合理性などというモラリティーに関する項目は重要視しない傾向がある。特に割りと丁寧で緻密な映画の構成に対して主人公たちの粗雑な行動が奇異に写る御仁もいるかもしれないが、これはポン・ジュノ監督のポリシーとして割り切ってみた方が純粋に映画を楽しめると思う。
「世界のクロサワ」(黒沢明監督)が亡くなったあと彼の後継者は長らくいなかったが、まさかお隣韓国で正統な後継者が生まれるとは……。ビックリである。
殺人の追憶の監督
ポン・ジュノ
殺人の追憶の出演
ソン・ガンホ
キム・サンギョン
パク・ヘイル
キム・レハ
ソン・ジェホ
ピョン・ヒボン
パク・ノシク
チョン・ミソン























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