『私がクマにキレた理由』自分探し中の人へ


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映画の評価(5点満点)

★★★☆☆

現代人にとって「自分探し」というのはかなり大きなテーマである。必死で生きる時代はとっくに終わり、自分が生きる意味を見いだせなければ、自ら死を選んでしまうような時代。自分の立ち位置を確認するというのはとても重要だ。映画『私がクマにキレた理由』は、そんな深いテーマを描いた、いい映画だと思う。

私がクマにキレた理由

ストーリーは、単純明快。ニューヨーク近郊の大学を卒業した女の子が親の期待を一身に受けて金融業界を夢見たものの、面接で自分のことを聞かれても自己アピールできず自身に迷い、偶然飛び込んできたニューヨークのアッパーイーストに住む金持ち家族のナニー(子守りの仕事)の仕事で奮闘、自分を見つめ直すというもの。日本では、ナニーという仕事にあまりなじみはないが、就職活動で夢と現実に苦しむというのはとてもよくあることだと思う。

この映画を評価したくなった理由は、主人公アニーを演じるスカーレット・ヨハンソンが可愛いから、というわけではなくて、やっぱり大学を卒業したぐらいの年齢で一度挫折を経験して自分の位置を確認しておいた方がいい、と個人的には思うからだ。もちろん挫折でなくてもいい。社会に出るにあたって、自分なりの価値観を築く機会があると、その後がスムーズで強いからだ。

自分はその点、結構フラフラしたせいか、30歳を過ぎると、若いうちにしっかりと自分の価値観と立ち位置を見つけ出している人のほうが何かと強いし、得をしていることが多いように感じる。当たり前なことなのだが、それが大学を出たぐらいの頃にはわりと気付かないのだ。このように気付かなかったのは自分だけでなく周りを見渡すと、結構いるわけで、現代特有の病気のような気がしないでもない。

さて話がだいぶそれた気がするので、映画『私がクマにキレた理由』に戻すと、主人公アニーが目指していたエリートの社会はステータスを維持するために大切なものを見失っているのではないか、というありがちなものなのだけど、最後に大切なものを確認したアニーの母親が言う「それは間違っているけど」という言葉が非常に重い。

結局、本人の価値観次第なのだ。アッパーイーストに住む上流階級の人たちの生き方も誰も否定することはできないし、ミセスXは離婚をして子供を選んだが、ミスターXはあの生き方が心底から合っているはずだ。その合っている生き方を見つけることが自分の立ち位置を確認することであり、長い人生を生き抜くためには大切なことなのだと思う。要するに、生きる意味は誰が決めるものでもなく、自分自身で見つけなければまったく意味をなさないのだ。

私がクマにキレた理由の監督・脚本
シャリ・スプリンガー・バーマン
ロバート・プルチーニ
私がクマにキレた理由の出演
スカーレット・ヨハンソン
ローラ・リニー
アリシア・キーズ
クリス・エヴァンス
ポール・ジアマッティ

『私がクマにキレた理由』自分探し中の人へ, 3.3 out of 5 based on 3 ratings

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