『渇き』空中崩壊寸前?


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映画の評価(5点満点)

★★★☆☆

プアーです。映画というのはお国柄のでる媒体である。ハリウッド映画が顕著だが、フランス映画ならフランス映画、ドイツ映画ならドイツ映画といった具合に各国によって独特の風合いを持つ。おとなりハンナラの作品ももちろん例外ではない。オシャレ映画を撮ると、フランス料理のフルコースに水キムチを入れてしまうくらいのうっかりさんだが、泥臭い映画を撮らせればまさに天下無双の力強さを発揮する。この『渇き』も韓国映画の特性が十二分に出た作品となっている。

渇き


韓流映画を語る上でどうしても外せない人間がいる。それは映画監督ポン・ジュノと俳優ソン・ガンホである。本作はこの韓国を代表する後者の俳優ソン・ガンホが10キロも減量してのぞんだというのである。これは見るしかあるまい。前評判も高くネットの評価も高い本作だが、内容はなんと言うか、その、極めて微妙である。

この『渇き』が映画として素晴らしい点はいくらでも挙げられる。ソン・ガンホの熱演、可愛いのに脱ぎっぷりのよさに評判が高い韓国若手女優だが、その系譜に恥じることなくヒロイン、キム・オクビンもガッツリ脱いで、ガッツリベットシーンを頑張っている。それに組み合うかのように演出も非常に凝っており、極めて多重的で重構造的な演出となっているのだ。だがしかしである。映画として見た場合、どうしても傑作とはいえない残念な仕上がりだ。

要するに、この映画は盛り込みすぎなのだ。メッセージ性と訴えたいものがありすぎて、観客が困惑してしまうのだ。もっと照準を絞り、単純なコメディー、単純なラブロマンス、単純なサスペンスにすれば、映画の完成度は飛躍的に向上したのではないかと思う。

これは単純なハリウッド礼讃の意見ではない(もちろんハリウッド映画は素晴らしい)。内容を多く盛り込むということはそれだけ構成力が求められるのだ。盛り込むものと構成力のバランスが崩れたときに、映画という媒体は空中崩壊するのだ。本作は監督の力量により、かろうじて崩壊せず、ギリギリのラインで留まってはいるが、やはりオーバーワークといわざるを得ない。非常に残念である。しかし、見る価値の高い韓流映画である。

渇きの監督
パク・チャヌク
渇きの原作
エミール・ゾラ
渇きの出演
ソン・ガンホ
キム・オクビン
シン・ハギュン
キム・ヘスク
オ・ダルス

『渇き』空中崩壊寸前?, 3.3 out of 5 based on 3 ratings

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