『ビッグ』魅力的な大人とは?


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

子どものころは大人がうらやましくて、大人になると子どもがうらやましく思ったりする。実際には少しずつ新しい経験を積みながら、年齢を重ねていくというのがいいわけで、そう思えるようになったのは自分ももはや若くないということなのだろう。懐かしい映画『ビッグ』を改めて見ると、なんとも感傷的な気分になってしまった。

ビッグ

この『ビッグ』は、ちょっとませた12歳の少年が一夜にして大人に変身するというファンタジーストーリー。遊園地に出かけても親が同伴だし、好きな女の子を見つけても一緒に身長が足りなくて自分だけジェットコーススターにも乗れない少年ジョシュ。この年頃の少年というのはすべてが自由に見える大人がうらやましく見えてしまうものだ。そんな少年ジョシュが遊園地で出会ったのが、何でも願いを叶えてくれるという不思議なコインマシン「ゾルダー」。25セントを入れると、願いを叶えてくれるという。ジョシュは「大人になりたい」とコインマシンを動かした。

翌朝、ジョシュは大人になっていた。突如として大人になったジョシュは家族からも自分であることを信じてもらえない。唯一自分であることを理解してくれた親友の助けで、ジョシュは街に出て、おもちゃメーカーのコンピューター入力の仕事を見つける。しかし、実際は少年のジョシュはついついおもちゃ売り場で無邪気に遊んしまう。新しいおもちゃ作りには子ども心が大切と感じていた社長は、この様子を見てジョシュを重役に大抜擢してしまう。この驚くべき人事に重役たちはやっかむが、ジョシュのピュアな心に触れたキャリアウーマンのスーザンはしだいにジョシュに引かれるようになっていた。

『ビッグ』は1988年の映画で、主演のトム・ハンクスもまだかなりスリム。コメディ俳優として知られていたころだが、既に『フォレスト・ガンプ』でも見られるような独特な演技力の片鱗が見られる。身体は大人だけど心は少年という難しい役柄をうまく演じきっており、トム・ハンクスがいなければこのストリーを成立させるのは困難だったに違いない。それほど、この映画における彼の功績は大きい。要するに、トム・ハンクスの魅力を知るにはとってもいい映画だといえる。

さて、映画の感想だが、これがなんとも切ない。トム・ハンクス演じるジョシュは願いどおり、大人の恋も体験し満足だっただろうが、これに振り回された大人たちがなんともかわいそうなのだ。特にスーザンは切なすぎる。彼女は結婚まで考えていたのに、少年に戻ることを許してしまうのだから。スーザンはジョシュのことを本当に愛していたのだ。少年のジョシュにその気持ちが深く理解できたとは普通だったら考えにくいだろう。

10年後、スーザンは本当の大人になったジョシュを見て、どう思うのだろう。やっぱりどこにでもいる普通の大人になってしまったと思うのか、それともピュアな少年の心を持ったあのときのジョシュと感じるのだろうか。そのときこそ、本当のジョシュが問われるときだろう。いったい人というのはどのように年齢を重ねていくのが魅力的なんだろうか?


ビッグの監督
ペニー・マーシャル
ビッグの脚本
ゲイリー・ロス
アン・スピルバーグ
ビッグの出演
トム・ハンクス
エリザベス・パーキンス
ロバート・ロギア
ジョン・ハード
ジャレッド・ラシュトン
デイヴィッド・モスコウ
ジョン・ロヴィッツ

『ビッグ』魅力的な大人とは?, 3.6 out of 5 based on 10 ratings

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