『キック・アス』このヒーロー物はタダものでない


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

各方面から激賞の嵐の本作『キック・アス』。それほど興味なかったのだが、あまりの評判の良さに思わず重い腰上げて見に行っちゃいましたよ。

キック・アス

ヒーロー物というジャンルは世界各地にあるが、それぞれのお国柄が出やすいものだと思う。本作はアメリカのヒーロー物の中のいちジャンルとして定着している「自警団」ものだ。日本では馴染みのない分野だが、資産家あるいは篤志家が自分自身がヒーローになって悪を懲らしめる、というアメリカでは「バットマン」や「アイアンマン」など、歴史ある由緒正しい分野である。

一方、日本におけるヒーロー物の典型は「戦隊物」や「ウルトラマン物」が挙げられる。ご存じの通り、これらの作品も時代とともに独自の変化を遂げてきたが、もちろん、アメリカのヒーロー物も同様で、時代の流れとともに独自の進化を遂げてきており、本作でもそれを見ることができる。

『キック・アス』が今までの自警団物と大きく違う点は、主人公が根性バリバリだが無力なオタク野郎と、超人的な戦闘能力を持つ小さな女の子という異色の組み合わせにある。設定自体は極めてB級だが、話の構成は、実に複雑で、もし力量のない監督が撮ったなら、かなりぎこちない残念な仕上がりになると思われる。しかし、本作は計算された巧みな構成を軸に『パルプフィクション』『キル・ビル』で有名なタランティーノばりの異常にセンスの良い劇中音楽と、練りこまれた脚本によるセリフまわしが組み合わさり、極めて自然に映画に入り込める。この「自然さ」が、『キック・アス』の完成度の高さを物語っているのである。

そのため、映画の素晴らしい味付けになっている可愛い主人公、銃器を使った派手なアクション、純洋風な殺陣などのヒーロー物には必須のガジェットが抜群に生き生きとしてくるのだ。ヒーロー物のお約束を一切合財を盛り込んで、このクオリティの演出ができるマシュー・ボーン監督の手腕はタダものでないだろう。次回作も期待である。

キック・アスの監督
マシュー・ボーン
キック・アスの脚本
ジェーン・ゴールドマン
マシュー・ボーン
キック・アスの原作
マーク・ミラー
ジョン・S・ロミタ・Jr
キック・アスの出演
アーロン・ジョンソン
ニコラス・ケイジ
クロエ・グレース・モレッツ
マーク・ストロング
クリストファー・ミンツ=プラッセ
マイケル・リスポリ
ヤンシー・バトラー
ジェイソン・フレミング
エリザベス・マクガヴァン

『キック・アス』このヒーロー物はタダものでない, 5.0 out of 5 based on 2 ratings

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