『機動警察パトレイバー 2 the Movie』今でも極めて現代的な問題


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

ウウウウッス、フロムっす。原発といい、地震といい、コロコロ変わる政治といい、この国は一体どうなってるのと思うことはしばしば。そんなときに、ピッタリのテーマなのがこれ。押井守監督の『機動警察パトレイバー』劇場版。特にクオリティとエンターテイメントの点から、僕は『機動警察パトレイバー 2 the Movie』を一押ししたい。

機動警察パトレイバー2

熱心とはいえないまでも、自分はそこそこ押井監督の作品を押さえているのだが、『イノセンス』以降「あれ? この人ひょっとして映画撮るのあんまり上手くないんじゃ?」という疑問符を付けていた。しかし、このパトレイバー劇場版を見直して感想を新たにした。

昔の押井監督はアニメ界の期待を負うにふさわしい仕事をしていた、と。

今回、見直して驚いたのは、押井監督の演出は極めて前衛的で攻撃的だったということだ。いや、押井監督は昔から前衛的で攻撃的なのだが、『天使のたまご』という、前衛的過ぎて興行的に失敗し、それにかかわったすべての人間が不幸になる伝説的な映画を撮った後、再びこれだけ攻撃的な作品を撮り続けたのは素晴らしい。押井監督がカルト的な人気を現在まで誇るのは、この不屈さにある気がしてならない。

特に、パトレイバー劇場版シリーズは、世間的評価と興行収入、スタッフがちょうど押井監督の“器”と噛み合って完成度の高いものになっている。『イノセンス』以降の微妙さは、おそらく押井監督の問題というより、自身の“器”を越えた世間評価、それに伴う環境の激変に、押井監督自身が振り回されてしまったのではないか。自分はそう捉えたのだが、どうだろう?

さて、肝心の『機動警察パトレイバー 2 the Movie』の内容だが、PKO部隊で海外に送られた公務員が過酷な現実を目の当たりにして、平和ボケする日本に仮想戦争を仕掛けて反応を見るという非常に厳しい内容。この映画が撮られた1993年の時点で極めて現代的な問題だと評価されていた気がするが、現在でも十分に通用するのだ。

そして恐らく、10年後も「今でも通用する現代的な問題作品」と評されると思う。もし、この作品が鼻で笑われ、過去の作品となるには、現在の政治システムが激変するか、日本人が銃を担いで人を殺しまくってるか、のどちらかになったときだろう。この作品が評価され続けるという現実は、世の中がまだまだ安定していることの証左なのだ。

押井監督作品をまだ見たことない人には、入門的として最適なのではないだろうか。

機動警察パトレイバー 2 the Movieの監督
押井守
機動警察パトレイバー 2 the Movieの演出
西久保利彦
機動警察パトレイバー 2 the Movieの脚本
伊藤和典
機動警察パトレイバー 2 the Movieの原作
ヘッドギア
機動警察パトレイバー 2 the Movieのキャラクター・デザイン
高田明美
ゆうきまさみ
機動警察パトレイバー 2 the Movieの声の出演
冨永みーな
古川登志夫
大林隆之介
榊原良子

『機動警察パトレイバー 2 the Movie』今でも極めて現代的な問題, 4.9 out of 5 based on 8 ratings

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