『レバノン』85%戦車視点、レバノン戦争最初の1日


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

プアーです。ようやく涼しくなってきて、ちょっと重めの映画を見る気力が沸いてきた今日このごろ。以前から映画評論家、町山智浩氏がラジオですすめていた映画『レバノン』をついに鑑賞!

レバノン

本作『レバノン』は戦車のコクピット内からの視点で物語の85%が進行する『Uボート』タイプの映画だ。このタイプの映画のキモは、閉ざされた狭い空間の中を、どれだけ秘密基地のように演出できるかにかかっている。その点で、不満点はいろいろあるものの、まずまずの合格点に達している。

素晴らしいのは、戦車のコックピットという視点を選択したことだ。身体むき出しの歩兵に比べて、戦車兵は鋼鉄の箱によろわれているため、ずいぶん恵まれている環境にあるように思うが、当の本人たちにはそんな意識はまったくない。むしろ逃げ出すことのできない鉄の霊柩車に乗せられている感覚にある。この逼迫感がうまく演出できているのだ。このへんは従軍経験のあるサミュエル・マオズ監督の面目躍如といったところである。

ただ、完成度はどうだろう。ドキュメンタリー映画とするならば、演出がウェットすぎて少しわざとらしいし、純粋な戦争映画とするなら、話の展開がいささかありがちすぎる。なんともおさまりが悪いのだ。同じイスラエルを描いた映画『戦場でワルツを』でも言えることだが、発想もアイデアも素晴らしいのに、後半に向かって演出が息切れてしまう。

僕は映画に史実を求めていない(露骨な嘘はまずいけど)。映画である以上、少なくともエンターテイメントとして完結してるべきだと考えている。もしそうでないならば、映画を撮る資格がないとさえ思う。マオズ監督はこのへんの煮詰め方が甘い気がするのだ。この映画を見た別の人の感想もぜひ聞いてみたい。

レバノンの監督
サミュエル・マオズ
レバノンの脚本
サミュエル・マオズ
レバノンの出演
ヨアヴ・ドナット
イタイ・ティラン
オシュリ・コーエン
ミハエル・モショノフ
ゾハール・シュトラウス
レイモンド・アムセレム

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