『マネーボール』抵抗勢力と戦っているあなたに


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

どんなに条件が悪いなかでも勝利を収める。戦略を練る指揮官が優秀なら、どんな条件の悪さも容易に打開できるかもしれないが、相手との格差が大きければ大きいほど常識破りの戦略が必要になる。つまり、こういうタイプの人に待ち受けているのは、既存勢力からの大きな抵抗なのだ。映画『マネーボール』は、資金力が圧倒的に少ないメジャーリーグの球団がどう戦って勝つか、実話をもとに描いた作品。変革を試みて抵抗にあっている人は勇気がもらえる映画だと思う。

マネーボール

映画的にも、なんとも面白そうなストーリーじゃないか。弱小球団が優勝するというのは、映画の題材としてよくある感じだが、『マネーボール』は実話をもとにしているところがミソ。途中で挫折からはい上がり、最後には優勝するというスポ根的なストーリー展開ではなく、大きな壁として立ちはだかるのは、旧態依然とした体制。実に現実的な話となっている。

この映画の主人公であるビリー・ビーンは、アスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)である。スターチームであるヤンキースに比べると、アスレチックスの資金力は約1/3にすぎない。基本的に貧乏球団なので、育てた選手が活躍するようになると、人気チームに簡単に引き抜かれてしまう。毎年このチームの悩みは、来季に向けて引き抜かれた選手の穴をどう埋めるか、なのである。

そこでビリー・ビーンが導入したのが、統計学的な野球理論だった。それがこの映画のタイトルともなっている「マネー・ボール理論」だ。正確ではないかもしれないが、「マネー・ボール理論」は、偶然性の高い安打よりも出塁率を重視するといったもの。もちろん、出塁の理由はヒットである必要はなく、フォアボールでもかまわない。とにかく出塁できる選手の方が優れていると考える。ちなみに、守備もうまい必要はない。野球はとにかく出塁しなければ勝てないゲームだからだ。

マネーボール
そう考えると、選べる選手は既存のスター選手である必要がなくなる。出塁率は高くても年棒のやすいコストパフォーマンスのよい選手を選べるようになる。アスレチックスは、このような安価な選手を手に入れて、ワールドシリーズには出場できなかったものの、結果、20連勝という驚異の大記録を打ち立てたのである。もちろん、スカウトや監督をはじめ球団は、この無茶苦茶と思われる理論に基づいたチーム作りに猛反対するわけだが、ビリー・ビーンは不退転の決意でやり抜いてしまった。

そして、シーズンを終えた後、この映画の一番いい場面がやってくる。ビリー・ビーンのもとに、レッドソックスからGMとしては史上最高額となる破格のオファーが来るのだ。最終的に彼がどんな判断を下したのかは映画を見てほしいが、見ている人はちゃんと見ているのである。なんともうれしい現実ではないか。

マネーボールの監督
ベネット・ミラー
マネーボールの脚本
アーロン・ソーキン
スティーヴン・ゼイリアン
マネーボールの原作
マイケル・ルイス
マネーボールの出演
ブラッド・ピット
ジョナ・ヒル
ロビン・ライト
フィリップ・シーモア・ホフマン
クリス・プラット
ケリス・ドーシー
キャスリン・モリス

『マネーボール』抵抗勢力と戦っているあなたに, 4.7 out of 5 based on 3 ratings

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