『戦火のナージャ』見終わってグッタリ


VN:F [1.9.22_1171]
あなたの映画評価は何点?
Rating: 4.3/5 (4 votes cast)
映画の評価(5点満点)

★★☆☆☆

プアーです。最近、軽い映画ばかり見ていたので、たまには重いものをということで、イッチョ気合を入れてロシア映画の『戦火のナージャ』なぞ借りてみました。安心のロシアンクオリティーながら、大変な目にあった次第。

戦火のナージャ

僕はそんなにロシア映画に詳しくないので、「お前のロシア映画観の底は浅い」と言われれば、ぐうの音も出ないのだが、僕が抱いているロシア映画観は以下の通り。

  1. 長い
  2. 芸術的
  3. 夢(主に悪夢)に出て来そうなぐらい印象的なシーンが随所に挟まれる
  4. 話の筋が見えづらい

あと、付け加えるならば、ユーモアのセンスが不条理というか、救いがない。

映画にお国柄が反映されるとするなら、ロシアの気候風土が大きく影響してるのは間違いない。日本も自然環境は厳しいし、日本の産業および農業の歴史は治水と灌漑の歴史から来ているといえそうだが、日本の環境はまだ人類の力で克服できるレベルの厳しさである。真冬零下数十度になるロシアは、農作業はおろか、生存することすらギリギリのレベル。人類の力がおよぶ範囲はとうに超えている。この自然の理不尽さが、ロシア映画の独特の無常観というか、不条理観を生み出していると思わざるを得ない。それくらいロシア系の監督は、人類を突き放した映画を撮る。

僕が見た『戦火のナージャ』もこのロシア映画観をきっちり踏襲していた。もう迷惑なくらい、見終わった後、グッタリである。

この映画の弱ったところは、鑑賞後の感情の落としどころがまったくない点。今ひとつ監督の意図がつかめないのだ。ハッキリ言って、僕の手に余る。戦争の悲惨さを訴えたいのかといえば、変なところでユーモアセンスを交えてゲンメツさせ、諜報将校を派遣して一人の男を追うサスペンス物に仕立て上げたいのかというと、その割には話の筋立てがあまりに不親切。

結局、何がしたいいんだよ!! と思っていると、映画は終わる。

そして、作品としての欠点も多い。見るからに相当なパジェットが投下されてることが分かるのだが、戦闘シーンでこの大規模パジェットがうまく生かされてない、降下爆撃機が登場するシーンも今ひとつだ。主人公のナージャがゴツ過ぎて、今ひとつ共感できないないのも痛恨だ。そして、観客を無視したメリハリのない脚本。ロシア人は、こんな映画ばかり見てるのだろうか?

このように欠点の多い映画なのだが、一方で、納屋に押し込まれて焼き殺される村人や、両足を引き潰されて眠るように死ぬ士官候補生など、他の国の映画ではお目にかかることのできないビジュアルイメージは圧巻である。これは、ロシア映画でしか見れない彼の国のお家芸であろう。

ちなみに、日本公開バージョンはカットされて150分超。ロシア人はどれだけん忍耐強いんだよ。人生は長いし、一度は見てもいい映画かも。

戦火のナージャの監督
ニキータ・ミハルコフ
戦火のナージャの脚本
ニキータ・ミハルコフ
アレクサンドル・ノボトツキ=ウラソフ
ウラジーミル・モイセエンコ
グレフ・パンフィーロフ
戦火のナージャの出演
ニキータ・ミハルコフ
オレグ・メンシコフ
ナージャ・ミハルコワ
ビクトリア・トルストガノワ

『戦火のナージャ』見終わってグッタリ, 4.3 out of 5 based on 4 ratings

タグ:

トラックバックURL(お気軽にどうぞ)