『メランコリア』評価に困るトリアー作品に新たな1ページ


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

プアーです。みなさん、映画料金って安いと思います? それとも高いと思います? ぶっちゃけ高いですよね。これだけ高いなら、DVDレンタル待ちでいいかな、と普通なら思いますよね。ワーキングプアの僕ならなおさら。そんな僕が結構な頻度で足を運んでいるのが、ラース・フォン・トリアー監督作品。その最新作がこの映画『メランコリア』である。

メランコリア

ダンサー・インザ・ダーク』で有名な「ゴールデンハート3部作」に打ちのめされて以来、雨の日も晴れの日も、健やかなる時も病める時も、トリアー監督について行こうと決心した僕である。劇場に足を運ぶのはやぶさかではないのだが、この監督、ときどきファンですら「うへええ」と言いたくなる作品を撮るのが困ったところ。少し前だと、脚本を担当した『ディア・ウエンディ』やアメリカ三部作の中編『マンダレイ』なんかが該当する。そして、評価に困るトリアー作品に、新たな1ページが加わった。

トリアー作品に共通するのは、感情の落としどころに困るという点。これは、監督が意図したところであり、監督の倫理観が普通の人のそれや、社会人としてのそれ、常識人としてのそれから逸脱してるからだろう。ただ、『メランコリア』に限っていえば、本当にキツネにつままれたような感覚になる。

「!? ほんとにコレで終わりなの?」といった終わり方。

トリアーにしてはやけに淡白な話の筋。

すべてを犠牲にして人の感情を揺さぶるのがトリアーの真骨頂のはずなのに、たんたんと進み、線香花火の火球が落ちるように終わる。さんざん書いてきて申し訳ないが、正直に告白しよう。僕にはまったく理解できなかった。

では、駄作なのかと言うと、そこは天才トリアー、そうではない。

少なくても見た人すべてが「キルンティン・ダンストってこんな上手い役者なの?」と驚くはずである。キーファー・サザーランドも名演技を披露。『スパイダーマン』と『24 -TWENTY FOUR-』の人は本当にうまい役者だったんだ、と舌を巻く。“ぶー子”の代名詞として名高いキルンティン・ダンストだが、本作を見れば、ぶー子なところとカワイイところをキチンと把握して、状況に応じて意図的に引き出してるのがよくわかる。まあ、何というかすごい。

メランコリア

そして、圧倒的なイマジネーションによる映像美。多分このような映像美はトリアーは目をつぶっていても撮れるんだろう。それほど手馴れた感じで、いとも簡単にすごい映像を撮っているのには脱帽する。

それでキツネにつままれたような落ちなのだから、これは本当に評価に困る。トリアーが好きな僕ですら、序盤結婚式のシーンは冗長に感じるし、後半もちょっと寝落ちしそうになった。こられの点を踏まえると、フラッと映画館に入った人が見たら、確実に熟睡できるだろう。それでも「見る価値がないのか」と聞かれれば、決してそうとは言えない、なんとも不思議な作品だ。

映画館で見たほうがいいのは間違いないが、1800円を出すのはさすがに高い。DVDとなると魅力が半減してしまう。『メランコリア』、なんとも評価しがたい作品である。

メランコリアの監督
ラース・フォン・トリアー
メランコリアの脚本
ラース・フォン・トリアー
メランコリアの出演
キルスティン・ダンスト
シャルロット・ゲンズブール
キーファー・サザーランド
シャーロット・ランプリング

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