『おくりびと』別れとは静謐なものである


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映画の評価(5点満点)

★★★★☆

素晴らしい。目に熱いものが込み上げてきた。この映画によって納棺師という仕事がクローズアップされたが、主人公の仕事は道具立てに過ぎない。この映画が教えくれるのは「死」と向き合う儀式のあの不思議な静謐さと悲しみである。『おくりびと』は一度は見ておきたい作品だ。

(C)2008 映画「おくりびと」製作委員会

(C)2008 映画「おくりびと」製作委員会


チェロ奏者の小林大悟は突然、楽団の解散を言い渡される。1800万円をかけて購入したチェロを手放し、実家・山形へ帰ることを決断する。地元の新聞で「旅のお手伝いをする仕事です」という新聞の折り込み広告に目が止まる。未経験で高給保証という好条件だ。尋ねてみると、それは死者を棺に納める納棺の仕事だった。

小林は仕事の内容に戸惑うものの、社長に連れられているうちに、意義に気付き始める。しかし、仕事の内容を知った友人や家族は「けがらわしい」と納棺師の仕事を忌嫌う。

自然と涙がこみ上げてくる場面がある。家族が亡くなり、葬るということは、誰もが経験しなければならないことである。そこに去来する気持ちは、不思議と静謐なものだ。悲しみだけは語ることができない決意のようなものが混ざる。この映画で描かれる多くの別れの場面がハイライトだろう。久石譲のメロディアスで感傷的な音楽が重なり、思わず涙があふれてしまう。

本作は、主演の本木雅弘の奔走があり、映画化につながったという。納棺士の見事な所作を演じきっていることもさることながら、映画にかける情熱に目を見張る。

わき役陣も見事。特に、山崎努は多くを語らずして悟らせる貫禄を見せつけてくれる。

ときにコミカルに、シリアスに、多くの要素がうまく回って、素晴らしい作品に仕上がっている。

おくりびとの監督
滝田洋二郎
おくりびとの出演
本木雅弘
広末涼子
余貴美子
吉行和子
笹野高史
山崎努

『おくりびと』別れとは静謐なものである, 4.0 out of 5 based on 8 ratings

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