『ハンガー・ゲーム』殺人ゲームに熱狂する!


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映画の評価(5点満点)

★★★☆☆

全世界で7000万部以上を売り上げ、あのミステリー作家スティーブン・キングが「中毒になるほどおもしろい」とべたほめしたと言われる小説『ハンガー・ゲーム』。これを原作にした同名の映画『ハンガー・ゲーム』は、全米で歴代第4位となるスマッシュヒットを記録したらしい。

ハンガー・ゲーム

事前情報によると、高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のパクリではないかと指摘されているようだが、こちらも小説が大ヒットし、深作欣二監督によって映画化。確かに、映画化までの経緯も、ストーリーの骨格も、似ている。僕は、『バトル・ロワイアル』については原作しか読んでいないのだが、そこには夢中になって読み上げてしまう中毒的な何かが存在していた。

そんな『ハンガー・ゲーム』の物語の舞台は、パネムという独裁国家。支配者階級が12の労働者地区を支配しており、年に1回のビックイベントとして、各地域から男女1名の青年を選出し、殺し合いをさせている。このイベントは完全にショー化されており、各地区から集められた参加者たちは、事前にスポンサーたちに意気込みをアピールし、トレーニングを受け、殺人ゲームの舞台へと送り出される。名誉あるオリンピック選手のようだ。そして、支配者階級のエリートたちは、生中継されるゲームの展開に夢中になり、これによって、この国家は秩序と安定を保っているのである。

ジェニファー・ローレンス演じる主人公のカットニス・エバディーンは、第12地区からの候補者。無残にもこのゲームの候補者となった妹の代わりとして、ゲームへの参加を志願した。この映画は、そんなカットニスがこの不条理なゲームをどう戦い抜き、生き残ろうとするのかを描いている。

作品としては、全体的に多くの疑問があるが、そもそも不条理を描いた作品なので、その点は仕方がないだろう。よくよく考えてみれば、僕たち映画観客も、支配者階級と同じようにこの殺人ゲームを高みの見物し、殺人ゲームという極限の中で繰り広げられるドラマに、手に汗を握り、共感し、ときには涙し、夢中になるのである。そして、映画館から出てきて「おもしろかったね」と言い合う。パネムのエリート階級同様、僕らも実は残虐な生き物なのかもしれない。

さて、本作の評価ではあるが、エンターテイメントという観点からは「おもしろいが、映画館で見るほどではなかったかもしれない」というレベル。アクション映画としてみると、迫力は「中の中」程度のしごく平均的なものだし、事前知識無しに見るには、この不条理な世界の設定を理解するのは難しい。DVDなどで自宅のテレビで見るぐらいがちょうどいいかもしれない。いっぽうで、この映画に描かれている国家パネムに現代の社会を読み取ろうとすることもできそうで、そういう議論好きにはちょうどいい作品となると思う。

個人的には楽しむことができたが、143分という上映時間からすると、映画の中に描かれていたのは、たぶん原作のエッセンスだけだったと思われる。機会があれば小説もぜひ手にしてみたい。

ハンガー・ゲームの監督
ゲイリー・ロス
ハンガー・ゲームの原作
スーザン・コリンズ
ハンガー・ゲームの出演
ジェニファー・ローレンス
ジョシュ・ハッチャーソン
リアム・ヘムズワース
ウディ・ハレルソン
エリザベス・バンクス
レニー・クラヴィッツ

『ハンガー・ゲーム』殺人ゲームに熱狂する!, 3.7 out of 5 based on 3 ratings

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