『最強のふたり』エクセレント!


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★★★★★

エクセレント! この映画にどっぷりとはまってしまった。映画『最強のふたり』は、2011年に10月の第24回東京国際映画祭では最高賞「東京サクラグランプリ」を受賞し、その後、11月から公開されたフランスでは観客動員数10週連続トップを記録するなど、まさに2011年の「フランス映画の星」ともいえる作品。首から下が麻痺した大富豪と貧困の黒人青年ふたりのキズナを描いた、コミカルかつハートフルなストーリーが心に響く。

最強のふたり

『最強のふたり』が最高に面白いのは、実話をベースとしているからだろう。ベースとなった実話は、本として出版され、テレビドキュメンタリー番組にもなり、そして映画にもなりというのだから、いかに人の心を打つ実話なのかがわかる。映画化に際しては、ベースとなった本人フィリップの要望により、ユーモアとコミカルさが加えられたんだそう。

パラグライダーで頸椎を損傷し、首から下が麻痺した大富豪フィリップは、自分の介護者に、失業手当をもらうための就職活動実績を作りにやって来たスラム街の黒人青年ドリスを選んだ。その理由には、初めは真面目に働こうとしないドリスを「矯正してやろう」という親心的なものがあったかもしれないが、首から下を自分では動かすことができないフィリップを、障害者としてさげすむことなく、大富豪としてこびることもないところに変わっていく。

そう、ドリスは、未明に息もだえるフィリップを楽にしてやろうと、夜明けのパリの街へ連れ出し、マリファナを共有し、パリのカフェで亡くなった妻の話をまるで幼なじみのように聞いてくれるのである。フィリップのことをまったく患者であるとは思っていないのだ。もともと大富豪らしからぬアクティブさを持ったフィリップは、彼のおかげでエキサイティングな生活を取り戻し、いっぽうで、貧乏で黒人という後ろめたさをもったドリスにも影響を与えていく。気がつけば、徐々に教養を身につけていたドリスは、しっかりと自分の力で就職口を見つけられる、一人前の大人へと成長しているのだった。生まれも育ちもまったく異なったふたりだが、そのキズナは徐々に固く結ばれていたのである。

最強のふたり

そして、何よりも素晴らしいのは、フィリップ演じるフランソワ・クリュゼ、ドリス演じるオマール・シーの笑顔。ふたりのキズナの深さは、作品中のどんなエピソードよりもこの笑顔がすべてを物語っている。この演技が、映画『最強のふたり』を心を打つすばらしい作品へと昇華させている。そして、劇中に挿入される音楽もすばらしい楽曲ばかり。久しぶりにフランス映画の底力を感じる映画に出会えた。映画『最強のふたり』は映画館でなくてもぜひとも見てほしい作品である。

最強のふたりの監督・脚本
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
最強のふたりの出演
フランソワ・クリュゼ
オマール・シー
アンヌ・ル・ニ
オドレイ・フルーロ
クロティルド・モレ
グレゴア・オスターマン

『最強のふたり』エクセレント!, 3.6 out of 5 based on 5 ratings

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