『人生の特等席』正統派だが、退屈気味


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★★★☆☆

映画『グラン・トリノ』を最後に俳優業引退を宣言していたクリント・イーストウッドだが、この『人生の特等席』で約4年ぶりにスクリーンに戻ってきた。メガホンを取ったのは、イーストウッドの愛弟子と言われるロバート・ローレンツ監督。重厚な人間ドラマを期待して映画館に向かったのだが……。

人生の特等席

作品はすこぶる正統派だろう。イーストウッド演じるガス・ロベルは、伝説のメジャーリーグ・スカウトマンだが、現在ではその手法も時代遅れになり、寄る年波には勝てず視力も衰えてきた根っからの職人男。しかし、球団フロントも衰えを見せ始めたガスの目利きに疑問を感じ始めており、今回が最後の仕事になりそうだった。そんな最後のスカウトの旅に、キャリアウーマンの1人娘ミッキーが助けに入る。ミッキーは、職人気質で不器用な親父に男手ひとつで育てられた1人娘。父親を尊敬しているが、その愛情に疑問を抱いてきた。そんな父と娘が仕事をしながらいっしょに旅することで、2人の間に溜まっていた長年の誤解やわだかまりが溶け始めていく。まさに「王道」のハートウォーミング・ロードムービーである。

しかし、少々、退屈気味に思うのは筆者だけではないかもしれない。心に染み渡るような良作ではあるのだが、あまりにも使い古された展開に途中で飽きてしまうのだ。決してスリリングではないし、エサイティングでもない。長い年月をかけて誤解を生んでいた父親の愛情を、娘が取り戻し、再び家族として結束するという展開は、とても澄み切っており、家族のいる多くの人の心を打つのだが、悪く言えば、それだけなのである。

このことは予告編でも十分にわかるし、ある程度事前にストーリーをチェックしてきた人にもわかる。ただ予定調和に向けて2時間近い上映時間を過ごすというのは苦痛だ。頑固で不器用な老人を演じるクリント・イーストウッドのいぶし銀の演技も、娘ミッキー演じるエイミー・アダムスと若手スカウトマン・ジョニー演じるジャスティン・ティンバーレイクのプラトニックな恋愛も、2時間近くの時間を持たすにはさすがに力不足だった。

反対に言えば、驚きはないが、こうした落ち着いた展開を期待している人には、この正統派で決して裏切らない『人生の特等席』はおすすめである。

人生の特等席の監督
ロバート・ロレンツ
人生の特等席の脚本
ランディ・ブラウン
人生の特等席の出演
クリント・イーストウッド
エイミー・アダムス
ジャスティン・ティンバーレイク
ジョン・グッドマン
ロバート・パトリック
マシュー・リラード

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