『007 スカイフォール』バック・トゥー・ベイシックス


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★★★★★

最初に言っておこう。基本的に僕は”ジェームズ・ボンドびいき”である。

理由は単純。ジェームズ・ボンドというキャラクターはいつの時代もセックスシンボルであり続け、そのダンディズムは憧れの存在だからである。そんなセックスシンボルを演じた俳優も、本作『007 スカイフォール』のダニエル・クレイグで、もう6代目。ダニエル・クレイグがボンド役を演じるようになってからは3作品目を迎えた。

007 スカイフォール

正直なところ、「ダニエル・クレイグ=ジェームズ・ボンド」というイメージは自分にはまだあまりない。ダニエル・クレイグの鍛え上げられた肉体はものすごいものがあるが、甘いマスクとはいえない彼のルックスは、どうしても悪役的な印象があり、これまでのジェームズ・ボンドのイメージとは少なからずギャップがある。しかし、本作『007 スカイフォール』は、ダニエル・クレイグのイメージにうまくマッチした、クールでタイトな、筋肉質なストーリーに仕上がっており、映画『007』シリーズの懐の深さを感じさせてくれる作品となっている。

とはいえ、スパイアクション映画において、冷戦時代のようなわかりやすい対立構造のない世界は、今そこにある危機を描きにくくなってきているのも事実だ。このことは本作からも感じることができ、上海やマカオといった急速に発展しつつある都市が登場し、僕らの想像を超えた世界がまだあることを感じさせてはくれるものの、作品の中心は、ボンドの上司である「M」が中心に据えられ、内面的な要素が強くなっている。詳細なストーリーはぜひとも劇場で確認してほしいが、過去に犯した「M」の過ちが、「MI6」と「M」自身の存在を大きく揺さぶる、というのが本作の軸になっている。

007 スカイフォール

また、本作ではジェームズ・ボンドをツール面でサポートしてくれる兵器開発担当「Q」にも新キャラクターが与えられており、新「Q」は、コンピューターギークな青年になった。指紋ロック付きの「ワルサーPPK」を手渡すところは思わずニンマリ。

実は本作は「世代交代」がテーマとなっている節がある。ジェームズ・ボンドと「M」に対しては、肉体を駆使するエージェントの存在が今のインターネット全盛の時代においてすでに時代遅れになっていることが問われており、それに対する回答が、実は副題にもなっている「スカイフォール」なのである。スカイフォールとは、ジェームズ・ボンドの誕生の地の名称。このほかにも、本作にはバック・トゥー・ベイシックスなところが随所に見られるのである。

その点で、本作『007 スカイウォール』は、シリーズ50周年を迎え、移り変わる時代の中でもベーシックを忘れることなく、まだまだ輝けることを強く主張する作品に仕上げてきたと言えるだろう。次の半世紀、この一流スパイアクション映画ブランドがどう僕らを楽しませてくれるのか、非常に楽しみだ。

007 スカイフォールの監督
サム・メンデス
007 スカイフォールの製作
バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
007 スカイフォールの出演
ダニエル・クレイグ
ハビエル・バルデム
ベレニス・マーロウ
ナオミ・ハリス
レイフ・ファインズ
アルバート・フィニー
ジュディ・デンチ
ベン・ウィショー

『007 スカイフォール』バック・トゥー・ベイシックス, 4.2 out of 5 based on 5 ratings

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