『レ・ミゼラブル』重厚な物語を歌唱力で圧倒する本格作


VN:F [1.9.22_1171]
あなたの映画評価は何点?
Rating: 4.6/5 (8 votes cast)
映画の評価(5点満点)

★★★★★

フランス、ロマン主義の文豪ヴィクトル・ユゴーの大叙事詩を原作とし、世界各地でロングランミュージカルとして今なお愛され続けている「レ・ミゼラブル」。このミュージカルを、『英国王の手紙』でアカデミー賞に輝いたトム・フーパー監督がスクリーンに描き出したのが、今回紹介する映画『レ・ミゼラブル』である。

レ・ミゼラブル

王政から共和制への移行、ナポレオンによる独裁、そして王政復古と、18世紀終わりから19世紀初頭のフランスは、まさに激動の時代だった。この時代を舞台に、飢えた弟のためにパンを盗んだ罪で、19年間投獄され、過酷な肉体労働を強いられた主人公ジャン・バルジャンが、修道院の神父の無償の愛に諭され、新たな人生を切り開こうとする一大マスターピースである。ストーリーの濃密さは言うまでもないが、ジャン・バルジャンの周囲を取り巻く、あらゆる登場人物の生き様が交錯し、愛と罪、正義、未来といった重厚なテーマがのしかかる。

本作は、ミュージカルを直接の原作するため、各キャラクター自らが背負っている人生は歌によって表現される形となるが、約158分のロングタイム上映時間を休むことなく力強く歌い続ける作風は圧巻。この力強さを存分に味わうには、やはり映画館に足を運ぶしかないだろう。

レ・ミゼラブル

個人的に、見どころは前半に多いと思う。ジャン・バルジャンの過酷な労働シーン、そして修道院で生まれ変わることを宣言するシーンのヒュー・ジャックマンの叫びもよいが、群を抜いているのは、コゼットの母、ファンテーヌを演じるアン・ハサウェイだ。貧乏に敗れた女の人生の嘆きを歌う彼女のシーンは、心も身体も震えるほど鬼気迫るものがある。全体を通してファンテーヌの出番は多くないが、本作で大きな存在感を放っているのは、まさしくアン・ハサウェイの歌唱力と演技力にあると言って過言ではない。

ミュージカル映画には、歴史的に見ても評価の高い作品が多いが、本作『レ・ミゼラブル』ほど歌唱力で圧倒する、本格作に出会ったのは初めてな気がする。本作は、それほど歌に力の込められた作品である。

レ・ミゼラブルの監督
トム・フーパー
レ・ミゼラブルの製作
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
デボラ・ヘイワード
キャメロン・マッキントッシュ
レ・ミゼラブルの出演
ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・サイフリッド
エディ・レッドメイン
アーロン・トゥヴェイト
サマンサ・バークス
ヘレナ・ボナム=カーター

『レ・ミゼラブル』重厚な物語を歌唱力で圧倒する本格作, 4.6 out of 5 based on 8 ratings

タグ: , ,

トラックバックURL(お気軽にどうぞ)