『のぼうの城』小田原合戦のアナザーストーリー忍城攻防戦


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映画の評価(5点満点)

★★★☆☆

映画『のぼうの城』が描くのは、豊臣秀吉が天下統一を完成させた小田原合戦(小田原攻め)の裏にあるアナザーストーリーである。現在の埼玉県行田市付近にあった北条方の支城「忍城」に、豊臣方、石田三成の軍勢約2万が侵攻するが、籠城する城代、成田長親率いる農民ら含む3000余りの兵が見事に守り抜く。そんな史実をもとに、エンターテインメント映画に仕立てたのが本作である。

のぼうの城

ちなみに、この映画のタイトルに使われている「のぼう」とは、役立たずを意味する「でくのぼう」から取った成田長親の愛称。そのどこか間抜けで愛すべきキャラクターは、領民から「のぼう様」と呼ばれて親しまれ、この人望が大軍、三成軍を退ける原動力となったのである。そんな忍城攻防戦は、あまり有名でないわりには戦法として水攻めが採用されるなど実はかなりの大戦で、実際に三成が築いた堤防「石田堤」が今も残っており、映画のエンドクレジット映像でも紹介されている。

史実をベースとした『のぼうの城』たが、あくまでも本作は、エンターテインメント作品。どこまでが事実に近いのか、定かでないが、登場人物のキャラクター設定はかなりデフォルメされている印象を受ける。そのせいか、成田方のキャラクターは、完全に関羽、張飛の「三国志演義」。豊臣方の名だたる武将勢にいたっては、どうしてこうなったかわからないほどダメキャラ設定となっている。

のぼうの城

まず、石田三成。豪快な戦がしたいというのが夢で、貪欲な相手を求めているというキャラクター設定。見方の武将の進言もすべて退ける豪気な性格で、金と物量にものを言わせるのが大好き。とはいえ、長いものに巻かれる気骨のない人間は大嫌い。自分が戦に敗れてもスッキリ爽やか。一般に知られている有能な官僚としてのイメージはまったくなく、本作では、いつもスポーツマンシップに則った爽やか豪傑キャラとなっている。

次に、三成を支える親友、大谷吉継はどうだろう。秀吉の命で三成軍に加勢しているが、初めて総大将となった三成に対し、百戦錬磨の戦のベテラン設定。とはいえ、本戦ではまったく成果は挙がらないにもかかわらず、上から目線の評論家。にもかかわらず、三成同様、スポーツマンシップが高く、爽やかときている。そして最後の長束正家にいたっては、無能の小役人以上の描かれ方をしていない。どうも三成軍はお粗末な構成なのだ。

映画によると、成田家はすでに秀吉に内通していたので、実際のところ、三成たちは戦争ごっこをしに来ただけみたいなのだが、これでは必死になって戦った忍城の成田長親たちが浮かばれない気がする。

とはいえ、映画作品としては、農民のリアルな表情を描写するなど細かくポイントを獲得して◯。

のぼうの城の監督
犬童一心
樋口真嗣
のぼうの城の脚本
和田竜
のぼうの城の出演
野村萬斎
榮倉奈々
成宮寛貴
山口智充
上地雄輔
山田孝之

『のぼうの城』小田原合戦のアナザーストーリー忍城攻防戦, 3.6 out of 5 based on 5 ratings

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