『GOEMON』圧倒的なのは映像美だけ?


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映画の評価(5点満点)

★★★☆☆

プアーです。個人的に作品よりも監督自身の動向のほうが気になる紀里谷和明監督の映画『GOEMON』を発見。時間もパワーもあったので意を決して見ようと思った次第。そしたらヤッパリ、紀里谷監督は凄かった!!

goemon

一部の評論家が「これは『GOEMON』じゃない。GOUMON(拷問)だ」と言っていた。気持ちはわかるが、さすがにそこまで酷評するほどではないと思う。ただ、紀里谷監督が評論家泣かせの困った監督であることには同意する。同氏の作品は、良い意味でも悪い意味でもプライベートムービーであるというのが、正鵠を射た表現だろう。

日本には、宮崎駿、黒澤明、北野武など、個人色が強い監督はいくらもいるが、紀里谷監督はさらに個人色が強いというか、悪い部分も良い部分もより過剰なのだ。本作もダメな点を挙げればきりがない。上映当時ですらショボさを感じさせるちゃちなCG、無駄に長い脚本、辻褄を合わせるだけの台詞まわし――正直、見る価値のない子供だまし映画である。

だが、そこは天才、紀里谷監督。ビジュアルイメージだけは圧倒的。美術力を売りにしてる世界トップクラスの監督にも引けをとらない。そして、配役がホント天才的に上手い。前作『CASSHRN』では、主人公の伊勢谷友介とブライキング役の唐沢寿明がはまっていたが、他の配役も相当よい演技をしていた。その配役の上手さは、本作『GOEMON』にも継承されており、主人公の江口洋介はホントいい演技をしている。クサイ台詞まわし、長回しの走りの演技など、江口の役者としての引き出しの多さを感じさせるよい配役だったと思う。僕がDVDを止めなかった理由の多くが、こうした演技の熱量によるところが大きい。

すばらしい点はすばらしく、ダメな点は徹底的にダメ。このメリハリが紀里谷監督の特徴である。映画のクオリティは決して高くないが、子供だまし程度には十分通用する。中学生や高校生がデートで見る分には、まあまあの作品だったのだと思う。また、そういう作品があってもいい。ライムスターの宇多丸氏が「紀里谷監督がこのまま映画を撮り続ければ、日本のエド・ウッドになるのでは」と指摘していたが、案外的を射ているような気がする。

2、3本では正直、評価が定まらない監督だと思う。低予算の小作品でいいのでもうちょっと多くの作品を撮ってもらいたいと思ってるのは、僕だけではないはずである。


GOEMONの監督
紀里谷和明
GOEMONの脚本
紀里谷和明、瀧田哲郎
GOEMONの出演
江口洋介
大沢たかお
広末涼子

『GOEMON』圧倒的なのは映像美だけ?, 4.0 out of 5 based on 9 ratings

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