『アフガン』無常観と不条理さ抜群のロシア映画


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映画の評価(5点満点)

★★☆☆☆

プアーです。今回は、ロシア側からアフガン紛争を描いた、一風変わった映画『アフガン』をチョイス。戦争はいつもアメリカが行なっているというイメージがあるが、実は始終戦争やってるのは、北の大国ロシアである。ご存じのように、アフガニスタン、チェチェン、グルジアとの間の沸点は異常に低く、小さなきっかけですぐにドンパチが始まる。

アフガン

さて、映画『アフガン』。その名の通り、モチーフに取り上げらているのはアフガニスタン紛争である。チェルノブイリ原発事故が起きた際に「チェルノブイリの屋上で5分間作業するのと、アフガニスタンで2年間従軍するのどっちがいい?」という究極の選択がロシア国民に投げかけられたというが、アフガニスタンへの従軍は、要するにチェルノブイリで作業するのと同じぐらいの過酷さなのである。なるほど、“畑で人が取れる”国は大変だ。

映画のキャプションには、「ロシアで撮られた『プラトーン』」と銘打たれていたが、実際は韓国映画『ブラザーフッド』に近い。そして前半の訓練シーンは『フルメタルジャケット』だ。相当ハリウッドを意識して製作されているのだが、そこはやはりロシア製。いやおうなくお国柄がしみ出ている。

ロシア映画にしては随分と娯楽に走っている感じがするが、それでも押さえきれない無常観と不条理さがすごい。ハリウッド作品であれば、重要人物の死は極めてウェットに描かれる(特にスピルバーグは顕著だ)が、そこはロシア作品。訓練時に新兵として登場する7人ほどの主要人物の半数が中盤戦で死亡。しかも映画のフレーム外での話である。そして、残りの主要人物もモブ的な死に方でご退場。これは韓国だろうと、日本だろうと、アメリカだろうと、中東だろうとちょっと考えられない演出である。

この突き放しかたは凄まじい。人類が抗えないほどの過酷な気候と政府の強権が、ここまでの無常観を育て上げるのか?

ロシア映画にしては珍しくエンターテイメントした『アフガン』だが、非常に独特な作品に仕上がっているので、一度見てみることをオススメする。

アフガンの監督
フョードル・ボンダルチュク
アフガンの出演者
アレクセイ・チャドフ
アルター・スモリアニノフ
コンスタンチン・クリウコフ

『アフガン』無常観と不条理さ抜群のロシア映画, 4.0 out of 5 based on 8 ratings

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