『バベル』連鎖する不安と悲しみ


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映画の評価(5点満点)

★☆☆☆☆

不安と悲しみの連鎖が主題なのだろう。場所と時間を超えて、悲しみが広がっていくのはとても気だるい。

アカデミー賞候補で注目された『バベル』(BABEL)は、倦怠感をもよおす悲しい映画だ。

バベル

©2006 by Babel Productions, Inc. All Rights Reserved.


モロッコを旅するアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。2人の結婚生活は崩壊寸前、きずなを取り戻そうとモロッコに旅に出たのだった。しかし、羊飼いの少年がバスに向かっていたずらで放った一発の銃弾がスーザンを撃ち抜いてしまう。

命を取り止めようと、モロッコの砂漠の町で奔走するリチャード。警察に追われることになる羊飼いの家族。

そして、その銃の持ち主は、東京に住むろう者の娘の父、綿谷ヤスジロウだった。綿谷の妻は9カ月前に自殺し、親子は暗い影を引きずったみままでいる。さらにその悲しみは、リチャードたちがアメリカに残してきた子供たちのベビーシッター、アメリアにも連鎖していく――。

異なる時間軸と場所が折り重なるようにして、それぞれの悲しい物語が繰り広げられるスタイルが特徴。気だるい音楽と明確な結末のないストーリーとして描かれ、妙な倦怠感を漂わせている。

各ストーリーにあえて含みを残しているのは意図的なものだろうか。彼ら彼女らはどうなったのか、考えさせることをいやおうなく強要される。バベルという宗教的なにおいを持たせた本作のタイトルに、この映画の真の狙いが隠されている気がするが、残念ながら自分には分からなかった。評論家の評価が分かれたのも理解できる。

映画というのは、決して娯楽だけではない、ということを久しぶりに思い出させてくれた。たまにはこういうのもよいが、週末の昼下がりに見て心地よいという映画でない。すっきりとしない悲しみに包まれる。


バベルの監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
バベルの出演
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
アドリアナ・バラッザ

『バベル』連鎖する不安と悲しみ, 1.8 out of 5 based on 4 ratings

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